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泌尿器科

■ 前立腺の病気

前立腺肥大症

一般的に男性は年をとってくると、若い頃に比べて尿が出にくくなります。その原因の中で最も多いのが、前立腺肥大症です。前立腺が大きくなると、内側の尿道を圧迫したり、前立腺の筋肉が過剰に収縮して尿道が圧迫されるために、尿が出にくくなるなどの排尿障害があらわれるようになります。前立腺肥大症による排尿障害を長い間放っておくと、肥大が進み、膀胱に残る尿の量が増え、感染や腎不全などの病気を引き起こすことがあります。症状があらわれたら自己判断せずに、医師に相談しましょう。

排尿障害の原因となる疾患があるかどうかなど病歴を聴取し、IPSS(国際前立腺症状スコア)、超音波検査、採血検査、尿検査などによって診断します

前立腺肥大症の治療法は、現在では薬物療法が中心となっており、α1遮断薬が前立腺肥大症に伴う排尿障害に対する第1選択薬となっております。一方、前立腺が大きい方や自覚症状が高い方は、将来的に排尿障害が増悪し、尿閉の併発や手術が必要になるリスクが有意に高くなります。このような方には5α-還元酵素阻害薬を併用することでそのリスクが減少することが明らかになっています。

当院では、薬物療法を中心に、からだに負担のかからない治療、前立腺の肥大の程度・自覚症状・その他の疾患の合併症の有無などを確認しながら、治療を進めていきます。

急性前立腺炎

尿道から入ってきた細菌が前立腺に感染して起こります。排尿時痛や残尿感,頻尿症状などを認めます。尿は濁り,血尿や尿道から膿が出たりします。高熱を伴い,食欲不振などの全身症状を起こすこともあります。 年齢に関係なく発生しますが、前立腺肥大症を合併して発症することも少なくありません。

検査としては、尿の中の細菌や白血球の有無を調べます。必要に応じて血液検査を行います。肛門から指を入れて,前立腺を触診(直腸診)すると、腫大した疼痛・熱感と伴う前立腺が触れます(急性期に前立腺を触ると悪化するケースがあるので、行わないこともあります)。

治療としては、高熱で緊急を要する場合,点滴を行い,細菌に有効な抗生剤を使用します。症状がそれほど重くない場合は、経口薬を服用し、外来でも治療することもあります。

慢性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群(CP/CPPS)

こんな症状はありませんか。
〇排尿時や射精時に痛みや不快を感じる。
〇尿道や陰嚢と肛門の間(会陰部)に違和感や何となく痛みがある。
〇恥骨部ないし膀胱部から睾丸あたりかけての不快感がある。
以上のような症状があるときは、慢性前立腺炎の可能性があります。

慢性前立腺炎はあまり一般的な病気ではありませんが、年齢は20~40代の若い世代に多く、症状は会陰部不快感・排尿障害・精液に血が混じるなど様々な症状を呈します。いずれも強い症状ではなく、何となく感じるあいまいな症状です。症状の悪化因子として飲酒、過労、緊張、長期座位、刺激物の多量摂取、慢性的な骨盤底への物理的刺激(職業ドライバーや自転車通勤者)などがあげられます。

検査としては、超音波検査で前立腺の状態を確認し尿の細菌培養で原因菌を調べます(菌がいる場合といない場合があります)。前立腺をマッサージした後、尿を検査し、白血球の数や有無、細菌の有無を調べることもあります。

治療としては、慢性前立腺炎のタイプによって異なりますが、感受性にあった適切な抗菌剤と前立腺のむくみをとる薬が中心となります。排尿障害の治療に用いるα遮断薬が有効であるという報告もあります。症状が落ち着いたら漢方薬を積極的に使います。この病気で気をつけなければいけないことは、症状が改善するまでは数ヶ月単位と、治療に時間がかかる点です。根気よく確実に治療を続けていきましょう。