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■  膀胱の病気
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急性膀胱炎
膀胱炎は女性に多い病気で、ほとんどは尿道から大腸菌をはじめとする細菌が入り込んで起こります。特に女性は尿道が短く、菌が膀胱に入りやすいので膀胱炎になりやすく、繰り返す方も多いようです。下記のような症状があります。
  • 排尿痛

  • 頻尿

  • 排尿時の不快感

  • 血尿

治療としては、抗生物質を投与すると8割はよくなります。数日薬を服用した後、自覚症状がなくなり、尿検査で菌が消失すれば内服薬を中止できます。以前は膀胱炎はどんな抗生物質を飲んでも効きましたが、最近は耐性菌が多く存在するため、細菌検査で薬剤感受性を見つつ薬を選択しないと、簡単に慢性化するようになりました。そういう意味でも泌尿器科での治療をお勧めいたします。

まずは薬をきちんと飲み、水分をいつもより多めに取ってください。薬を飲むときは多めの水で飲み、20~30分は横にならないようにします。症状を早く軽減させるためにも、薬はきちんと指示どおりに飲みましょう。普段より尿を我慢しない、水分を多く摂る、性交後は必ず排尿するなどの予防法が効果的です。

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過活動膀胱
過活動膀胱の症状は、「頻尿(トイレが近い)」「尿意切迫感」「切迫性尿失禁」の3つの症状です。どれか1つがあてはまれば過活動膀胱の可能性があります。40歳以上の12.4%に過活動膀胱の症状があり、その割合は年齢とともに増加していることが分かりました。日本の人口に換算すると、810万人の患者さんがいると推定されています。実際に悩んでおられる方は大変に多いのですが、恥ずかしいので我慢している方がほとんどです。悩んでいるのは、あなただけではありません。ひとりで悩まず、泌尿器科医に相談してみましょう。
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症状としては、下記のようなものがあります

  • 頻尿(トイレが近い)
    人がトイレにいく回数は、日中で5~7、寝ている間は0回が正常と言われています。日中が8回以上トイレにいき、夜間は1回以上トイレのために起きるなら、それは頻尿症状だと言えます。

  • 尿意切迫感
    人は、最初に尿意を感じてから1時間くらいはおしっこを我慢できます。しかし尿意切迫感は強い尿意が突然訪れるとともに、一度その尿意を感じると我慢することが難しく、トイレにかけ込まなければなりません。

  • 切迫性尿失禁
    ふいに尿がしたくなってその高まりが急なため、トイレに着くまで我慢できずにもらしてしまうのが尿失禁です。

原因としては​、脳梗塞・脳出血などによるものを除けば、いくつかの原因が複雑にからみあって特定できないものや加齢によるものが、実際には最も多く存在しています。症状による診断だけでは他の病気(膀胱がんや結石、膀胱炎)との見分けができないケースがあるので、症状にお困りの方や気になる方は泌尿器科の受診をおすすめします。

過活動膀胱の治療は、まず薬物療法を行うのが一般的です。抗コリン剤という内服薬でかなりの割合で効果が期待できます。また、膀胱訓練で排尿間隔を広げるようにもしていきます。尿意切迫感を感じても慌てずに深呼吸して、膀胱の収縮の波がおさまったところでトイレにいくようにしたり、骨盤底筋体操でこらえるコツをつかみましょう。毎日の生活の中でも、下半身を冷やさないようにしたり、水分摂取バランス(摂らなすぎたり、摂りすぎたりしないよう)に気をつけていれば尿のトラブルを軽減させることができるポイントがたくさんあります。

腹圧性尿失禁
急に立ち上がった時や重い荷物を持ち上げた時、咳やくしゃみをした時など、お腹に力が入ったときに尿がもれてしまうのが腹圧性尿失禁です。女性の4割を超える2000万人以上が悩まされていると言われています。

女性のからだの中の骨盤には、膀胱、尿道、子宮、直腸といった臓器があります。

これらは骨盤底の骨盤底筋という、筋肉や靭帯の束によって、しっかり支えられています。しかし、この骨盤底の筋肉が出産や加齢、女性ホルモンの低下などによってゆるんでくると、膀胱や尿道がぐらぐらしてしまい、しっかり支えられなくなるので、尿道がうまく閉じずに、おしっこが漏れてしまうということが起きてきます。40歳以上の女性の8人に1人が腹圧性尿失禁の症状があると言われています。

軽い「腹圧性尿失禁」の場合は、骨盤底筋体操で尿道のまわりにある外尿道括約筋や骨盤底筋群を強くすることで、かなりの改善が期待できます。骨盤底筋訓練などでは改善しない場合、または不満足な場合はお薬による治療や手術となります。最近ではポリプロピレンメッシュのテープを尿道の下に通してサポートするというTVT/TOT手術が長期成績も良好で、侵襲性が低いことでも優れています。まずは症状の程度や他の病気の有無など確認するためにも、お困りの方や気になる方は泌尿器科の受診をおすすめします。

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■ 前立腺の病気

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前立腺肥大症

一般的に男性は年をとってくると、若い頃に比べて尿が出にくくなります。その原因の中で最も多いのが、前立腺肥大症です。前立腺が大きくなると、内側の尿道を圧迫したり、前立腺の筋肉が過剰に収縮して尿道が圧迫されるために、尿が出にくくなるなどの排尿障害があらわれるようになります。前立腺肥大症による排尿障害を長い間放っておくと、肥大が進み、膀胱に残る尿の量が増え、感染や腎不全などの病気を引き起こすことがあります。症状があらわれたら自己判断せずに、医師に相談しましょう。

排尿障害の原因となる疾患があるかどうかなど病歴を聴取し、IPSS(国際前立腺症状スコア)、超音波検査、採血検査、尿検査などによって診断します

前立腺肥大症の治療法は、現在では薬物療法が中心となっており、α1遮断薬が前立腺肥大症に伴う排尿障害に対する第1選択薬となっております。一方、前立腺が大きい方や自覚症状が高い方は、将来的に排尿障害が増悪し、尿閉の併発や手術が必要になるリスクが有意に高くなります。このような方には5α-還元酵素阻害薬を併用することでそのリスクが減少することが明らかになっています。

当院では、薬物療法を中心に、からだに負担のかからない治療、前立腺の肥大の程度・自覚症状・その他の疾患の合併症の有無などを確認しながら、治療を進めていきます。

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急性前立腺炎

尿道から入ってきた細菌が前立腺に感染して起こります。排尿時痛や残尿感,頻尿症状などを認めます。尿は濁り,血尿や尿道から膿が出たりします。高熱を伴い,食欲不振などの全身症状を起こすこともあります。 年齢に関係なく発生しますが、前立腺肥大症を合併して発症することも少なくありません。

検査としては、尿の中の細菌や白血球の有無を調べます。必要に応じて血液検査を行います。肛門から指を入れて,前立腺を触診(直腸診)すると、腫大した疼痛・熱感と伴う前立腺が触れます(急性期に前立腺を触ると悪化するケースがあるので、行わないこともあります)。

治療としては、高熱で緊急を要する場合,点滴を行い,細菌に有効な抗生剤を使用します。症状がそれほど重くない場合は、経口薬を服用し、外来でも治療することもあります。

慢性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群(CP/CPPS)

こんな症状はありませんか。
・排尿時や射精時に痛みや不快を感じる。
・尿道や陰嚢と肛門の間(会陰部)に違和感や何となく痛みがある。
・恥骨部ないし膀胱部から睾丸あたりにかけての不快感がある。

 

以上のような症状があるときは、慢性前立腺炎の可能性があります。

慢性前立腺炎はあまり一般的な病気ではありませんが、年齢は20~40代の若い世代に多く、症状は会陰部不快感・排尿障害・精液に血が混じるなど様々な症状を呈します。いずれも強い症状ではなく、何となく感じるあいまいな症状です。症状の悪化因子として飲酒、過労、緊張、長期座位、刺激物の多量摂取、慢性的な骨盤底への物理的刺激(職業ドライバーや自転車通勤者)などがあげられます。

検査としては、超音波検査で前立腺の状態を確認し尿の細菌培養で原因菌を調べます(菌がいる場合といない場合があります)。前立腺をマッサージした後、尿を検査し、白血球の数や有無、細菌の有無を調べることもあります。

治療としては、タイプによって異なりますが、感受性のある適切な抗菌剤と前立腺のむくみをとる薬が中心となります。排尿障害の治療に用いるα遮断薬が有効であるという報告もあります。症状が落ち着いたら漢方薬を積極的に使います。この病気で気をつけなければいけないことは、症状が改善するまでは数ヶ月単位と、治療に時間がかかる点です。根気よく確実に治療を続けていきましょう。

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■  腎臓・尿管の病気
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腎のう胞
腎のう胞とは腎臓にできた液体成分が貯留した袋状のものです。1個のこともあるし、数個見られることもあります。ほとんどの人は症状がなく、健康診断の超音波検査やCT検査で偶然見つかることが多い病気です。のう胞が大きくなると腹痛や背部痛、血尿といった症状が出ることもあります。稀ですが、のう胞壁に石灰化や不整が見られた場合、悪性(嚢胞性腎がん)のこともあるので、健診などで腎のう胞の指摘を受けたら泌尿器科の受診をお勧めします。ちゃんと腎のう胞と診断されていれば治療の必要はなく、経過観察のみで問題ありません。
腎血管筋脂肪腫
腎血管筋脂肪腫は、血管、筋肉、脂肪で形成された良性の腫瘍です。通常、自覚症状は現れません。基本的には良性のものですから超音波検査などで経過観察していければよいのですが、大きくなると破裂したり、出血したりすることがあります。このため、大きいものでは動脈塞栓術や手術を施行したりします。また、腎細胞癌との判別が難しい場合もあり、質的診断を兼ねて手術を行うことがあります。
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腎・尿管結石症

腎臓内にできた結石を「腎結石」といいます。血尿がみられることがありますが、痛みはほとんどありません。しかし、結石が尿管に移動して尿管に詰まる「尿管結石」になると、腰から背中にかけて激しい痛みを引き起こします。

尿管結石はCT検査や超音波検査などで診断できます。小さい結石の場合は、痛みをおさえる治療を行いながら、自然に出てくるのを待ちます。ただし、大きな結石などの場合で手術が必要だと判断したときは、しかるべき医療機関へご紹介します。

また、再発性尿路結石症の方へは、検査の結果をもとに、できる限り再発しないよう指導を行っていきます。

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■  精巣の病気

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陰のう水腫

 

精巣を包む膜に水が溜まる病気です。針で水を抜く処置をすれば軽快しますが、高率に再発します。根治するためには手術が必要になります。 小児の場合は自然に治癒することもあります

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精巣上体炎

 

尿道から細菌が入り、精管(精子が通る管)を上行して精巣の脇にある精巣上体に感染する病気です。38度以上の発熱と陰のう痛が出ることが多いですが、症状が乏しいこともあります。

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精巣炎

 

おたふく風邪のウィルスが精巣に移行して精巣が腫れる病気です。 成人になってからおたふく風邪に感染すると精巣炎になることがあります。男性不妊症の原因となります。

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精巣がん

 

陰嚢内の精巣が無痛性に(痛みを伴わず)硬く大きくなってきます。痛みを伴わないために放っておいたり、羞恥心から病院受診が遅れる残念なケースがあります。0~4歳と、45~59歳に小さなピークがありますが、25~34歳に大きなピークがあります。発見が遅れると若くして命を落としかねない重要な疾患です。1日でも早い受診をお勧めします。

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